臨床検査科について
当院の主な検査紹介
検体検査
生化学検査
肝機能、腎機能、脂質、動脈硬化、糖尿病関連項目、血中薬物濃度など調べる検査です。当院では、採血から約1時間で結果を報告しています。診察までの待ち時間利用してその日の採血データを診ることが出来ますので、より正確な診察、治療が可能です。
血液算定検査
貧血や感染症、血液疾患などを調べる検査です。
・検査項目 赤血球数、白血球数、血小板数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、網状赤血球数などを調べる検査です。白血球は詳細に分類すると好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球に分けられます。これらを自動分析装置で判定します。
免疫検査
化学発光酵素免疫測定法にて感染症、腫瘍マーカー、ホルモン量などを調べる検査です。
・検査項目 HBS抗原、HCV抗体、HIV抗体、CEA、CA19-9、PSA インスリン、FT4、TSH、BNP、ANP、インタクト、PTH、トロポニンI などがあります。
凝固検査
出血した時に、止血するための機能がきちんと働くかどうかを調べる検査です。主に、血が止まりにくい、血栓ができている可能性がある。血をさらさらにする薬を飲んでいる、手術をする予定がある方に行います。
・検査項目 PT、APTT、フィブリノーゲン、Dダイマーなどがあります。
HbA1c
ライフスタイルの変化と共に近年糖尿病患者数が増加する中で、糖尿病の診断や血糖コントロールに欠かすことが出来ない指標として重要な検査項目です。ヘモグロビンは赤血球に多く含まれており、体内で循環している間に血中のグルコースと結合したものがHbA1cです。ヘモグロビンの血中寿命が約120日である為、HbA1cは過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映しています。
尿検査
検尿カップに採尿して頂き、尿試験紙に浸して装置に載せると、試験紙の色調の変化を装置が判定します。
・尿試験紙で検査できる主な項目 白血球、赤血球、ウロビリノーゲン、潜血、ビリルビン、ケトン体、ブドウ糖、蛋白質、PH、比重などです。主に腎臓、膀胱、尿管、尿道、糖尿病などの病気を調べるために行います。
便中ヘモグロビン検査
< 検査時間 10分程度 >ご自宅で採便容器に便を採取してきて頂き、下部消化管に出血がないかを調べる検査です。 大腸癌、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、痔、などで陽性になります。
※注意 女性の方で生理中の方は生理後2~3日後に採便を行って下さい。また、検体を長期間室温で放置していると検出感度が低下してしまいます。出来れば7日以内での提出をお願い致します。
PCR検査
< 検査時間 約1時間 >DNAの特定領域を増幅してウイルスや菌を検出するPCR検査です。当院では新型コロナウイルスの検査に用いています。PCR検査は感度が高く、検体中にごく微量しかないウイルスでも検出する事が出来ます。
・検査項目 新型コロナウイルス
生理機能検査
心電図検査
< 検査時間 5分程度 >心臓は電気を周期的に発生させています。その電気刺激によって、心臓の筋肉を収縮・拡張させています。心電図検査では電気信号の状態をチェックすることで、心臓が正常に動いているかを調べます。不整脈や狭心症、心筋梗塞などの疾患を調べるための検査です。胸痛がある、不整脈がある、動悸が起こる、息が切れるなどの症状がある方に行っています。また当院では心電図を24時間記録、または最長5日間記録するホルター心電図も行っています。
スパイロメトリー
< 検査時間 5分程度 >呼吸器系の病気(喘息や慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎など)を調べる時や肺機能の状態を調べる時に行います。また、全身麻酔の手術を受ける方にも、この検査を行っています。
一酸化窒素ガス分析
< 検査時間 5分程度 >気管支喘息の診断や、炎症の程度、治療の効果などを調べる時に行います。 息を一定の強さで約10秒程度吐き続けて頂き、呼気中の一酸化窒素濃度を調べます。
ABI検査
< 検査時間 10分程度 >上肢と下肢の血圧を測定し、動脈の血管の硬さや詰まり具合を調べる検査です。糖尿病、高血圧、喫煙、高脂血症、などで、動脈硬化リスクの高い方、下肢のしびれ、冷感、色調の変化、歩行時に痛みがあるなどの症状がある方に行います。 主にASO(閉塞性動脈硬化症)の診断に用いられます。
エコー検査
< 心臓エコー・・・検査時間 20分程度 > < 下肢エコー・・・検査時間 30分〜60分程度 > 暗室で超音波を体に当て、体内の臓器を画像で映し出して行う検査です。 痛みや体への負担も少ない検査です。 検査科では心臓エコー、下肢エコーを行っています。 心臓エコーでは心臓の動きや大きさ、弁の状態、血液の流れなどを観察します。 弁膜症、虚血性心疾患、心筋症、先天性心疾患などの疾患を見つけたり、治療の効果を判定、心電図の検査で異常があると言われた方や、胸部症状がある方、足のむくみがある、などの症状がある方に行っています。 下肢エコー検査では足の付け根から足先にかけての深部静脈血管を圧迫していきながら、血栓がないかを調べます。肺塞栓症の原因となる深部静脈血栓症を調べるために行う検査です。 下肢動脈エコーは足の付け根から足先にかけて走行する動脈の血管の太さ、動脈硬化の程度、血栓の有無、血液の流れなどを調べる検査です。主に閉塞性動脈硬化症を調べるために行う検査です。
神経伝導検査
< 検査時間 約30分〜60分 > ※検査部位や神経数により異なります 手や足の末梢神経に皮膚の上から電気刺激を与え、刺激の伝わる速さやその時に得られる振幅波形を見て異常がないかを調べる検査です。手や足が動かしにくい、しびれや痛みがある、物をつまみにくい、などの症状がある方に行います。主に手根管症候群、肘部管症候群、糖尿病合併症の神経障害などを調べる検査です。 また当院では、糖尿病合併症による神経障害を調べるための専用機器での検査も行っています。こちらの検査は検査時間が5分程度です。
脳波検査
< 検査時間 60分程度 > 頭に専用の帽子をかぶります。そこに脳波記録用のゲルを流し込み、ベッドに仰向けの状態で検査します。 脳に流れる微弱な電気信号を脳波として記録していきます。必要に応じて、光刺激や開閉眼、深呼吸などの刺激を与えながら検査を行います。主にてんかんの診断に用いられます。
※注意 頭にゲルを付けます。検査後はきれいに拭きとりますが、洗髪を行う設備はありませんのでご了承下さい。
睡眠時無呼吸検査
睡眠中に呼吸がどのくらい止まっているか、また、低酸素状態になっていないかをAHI(無呼吸低呼吸指数)で表し睡眠時無呼吸症候群の診断や、その重症度を調べます。AHIは睡眠1時間当たりの無呼吸、低呼吸の回数を表した指標です。 日中に強い眠気がある。寝ている間にいびきや無呼吸がある。起床時に頭痛がする。などの症状がある方は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。 これらを放置しておくと高血圧や心臓循環障害、脳血管障害に陥るリスクが高く、実際に心血管疾患において睡眠時無呼吸症候群を合併する頻度は高いと言われています。当院では簡単に自宅で検査出来るスクリーニング検査と、病院に1泊入院して行う精密な検査の2種類の方法を行っています。
< 簡易PSG検査 > 装置を自宅にお持ち帰りいただき、寝る前に指にSPO2センサー、鼻にカニューレを装着して頂くだけで簡単に行える検査です。
< フルPSG検査 > 病院に1泊入院していただき、脳波、目の動き、横隔膜の動き、足の動き、呼吸の状態、心電図などを調べるセンサーを取り付けてから寝て頂く検査です。
※注意 男性の方・・・できれば髭を剃ってきてください。 女性の方・・・マニキュア、ジェルネイルは落としてきてください。検査が出来ない事があります。
細胞診検査
婦人科の膣部頚部や内膜、尿、喀痰、体腔液などから細胞を採取し、癌細胞や異常細胞がないかを顕微鏡で見つけ出して診断する検査です。細胞診専門の資格を持った専門医と、臨床検査技師の中でも、細胞検査士という資格を持った技師とで検査、診断を行っています。