リハビリテーション科について
リハビリテーション科では、医師の指示のもと、他職種のスタッフと連携して皆さまにリハビリテーションを提供しております。1日も早く自宅・職場・スポーツ活動及びその他余暇活動などへの復帰を目指し、健康で安寧な生活がおくれるよう、お手伝いさせて頂いております。 医療は日進月歩しているため、リハビリテーション科では各スタッフが様々な領域で研鑽を行い、日々よりよいリハビリテーションを提供するように心がけております。そういったリハビリテーション科の研鑽や取り組み、出来事等を月間ニュースとし更新させていただいております。最新のリハビリテーション科のトピックにつきましては月間ニュースをご覧ください。
行動目標
- 最高のリハビリテーションを提供し、患者さまの満足度が得られるよう、あらゆる努力を行っていきます。
- 医師、看護師など様々な職種のスタッフと連携し、患者さまの抱える問題を多角的に考え、その解消を追求していきます。
- 受け身の治療ではなく、患者さま自ら積極的にリハビリテーションに関われるよう援助していきます。
- 根拠のあるリハビリテーションをきちんと説明し、同意のもと実施していきます。
- 患者さまと相談したうえで期日を設け、最大限の効果がでるようにリハビリテーションを行っていきます。リハビリテーションが提供できるよう日々勉強していきます。
リハビリテーション科の取り組み
回診・カンファレンスへの参加、科内勉強会の開催
手術執刀医にしか分からないような詳細な病態や所見を全体で把握し、リハビリテーション目標やその獲得方法を確認します。また毎週、各スタッフの専門性を活かして他スタッフに伝達し、全体の知識・技術向上を図るための各種勉強会を実施しております。
リハビリスタッフの積極的な手術見学
自身が担当する患者さんなどの手術見学を積極的に行い、詳細な術式の理解と執刀医との連携を含め、術後成績の向上に務めております。
理学療法士の取り組み
当院の理学療法士の特徴としては、各個人が理学療法士としての命題を持ち(例えば、整形外科の中で肩を得意とする等)、専門知識・技術をもって患者さんのリハビリを担当させて頂いております。
・整形外科
整形外科医師と連携し、整形外科疾患の保存療法及び術前術後のリハビリを担当します。整形外科医師との距離が近いことが特徴で、回診やカンファレンスへの参加の他、各種勉強会や学会に参加し、医師と同じ知識を共有することを心がけています。
・スポーツ疾患
スポーツにおける各種障害や外傷後より競技復帰までの一貫したアスレチックリハビリテーションを担当します。整形外科とスポーツ整形の違いは、スポーツ障害は手術の必要性が少なく、リハビリで完治することができる点です。適切な評価と問題点抽出・診断を医師が行い、各競技に合ったケアやトレーニングを指導します。
・脳・中枢神経
脳梗塞、脳出血に代表される脳の障害に対して脳神経外科医師と連携し、機能回復のためのリハビリを担当します。脳卒中に関しては、リスク管理のもと作業療法士、言語聴覚士、理学療法士が各々の立場より評価し、連携を行う事で早期より適切なリハビリを心がけています。
・呼吸循環器
肺炎や肺気腫といった呼吸器疾患、心不全や狭心症といった心臓疾患のリハビリを担当します。呼吸循環器の専門知識を有するスタッフ中心に、全身持久力の向上や労作、息切れといった苦痛を軽減できるよう支援していきます。
・テーピング
ケガの回復を早めます。足の捻挫や膝の靭帯損などのケガは受傷直後よりテーピング固定により組織が回復する速度を向上させます。受傷直後より損傷部位に負担をかけないようにそして個人の動きを制限しすぎないようにテーピングおよびテーピング指導を行っております。当院スタッフは、実際のスポーツ現場でも多くの選手、負傷者に対してテーピングを実施し試合復帰を支援しております。
・超音波エコー
視診や触診といった理学所見では確認しづらい深部組織の評価や筋肉の動きといった状態をリアルタイムで把握することができます。患者さんと情報を共有できるツールとして有用である他、回復状態を把握することができるため大変有用ですが、習熟した技術が必要です。当院スタッフは、超音波エコーを用いた身体評価に関する様々な研究発表の実績と個人の研鑽を通じて、技術取得したスタッフがエコー評価を担当するため、適切な評価が可能です。
・その他
理学療法士は身体の適切な評価に基づく、各個人の機能回復の専門家です。様々な疾患に対する知識を持ち、広く身体不調に対してのアプローチを行います。ご不明な点は各種診療科とご相談下さい。
作業療法士の取り組み
・入院リハビリテーション
身体機能を改善する練習や、退院後の生活を見越して、日常生活に必要な動作の練習だけでなく、家事や仕事、余暇活動に必要な動作練習も行っております。また、動作に制限が生じた場合、円滑に行うための自助具の選定・作成も行っております。 退院する前に必要に応じて担当スタッフ・看護師・ケアマネジャー・福祉用具業者などとともに、ご自宅に訪問させていただき、退院後の日常生活が行いやすいように福祉用具の選定や環境調整などを助言・提言させて頂きます。
・外来リハビリテーション
手に障害が生じたときには高度で専門的な手外科治療が必要であると同時に、損傷の状態、治療方法、手術方法に合わせたリハビリテーションが必要となります。 当院では手外科専門医の指示のもとに、カンファレンスなどを中心に密に連携をとりながら、社会復帰までも一貫してサポートさせていただいております。ユースフルハンドを目標に手の機能回復はもちろんのこと、日常生活や仕事復帰に向け、使える手を目指してサポートさせていただいております。 また、必要に応じて、スプリントも作成しております。スプリントとは手や指の運動障害を対象に、過度な動きの制限や固定を目的として、個人に合わせて作成する装具のことをいいます。
言語聴覚士の取り組み
脳血管疾患・誤嚥性肺炎・病気後の廃用等による食べる障害(食べたくない、食べにくい等)、ことばの障害(理解しにくい、ことばが浮かばない、声が出にくい等)、高次脳機能障害(注意が向きにくい、忘れやすい等)に対してリハビリを行っています。 摂食嚥下障害(食べる障害)の方に対しては、簡単なスクリーニング検査や、必要に応じて嚥下造影検査を実施し、適切な訓練や摂取方法を提案・提供できるようにしています。外来リハビリも入院リハビリと同様に実施しています。 嚥下造影検査とは、摂食嚥下障害が疑われる患者さんを対象に、バリウムなどの造影剤を混ぜた食品(水分やゼリー、固形物等)を口から食べてもらい、口やのどの中の動き、食べ物の一連の流れをレントゲン機器を使用し評価する検査です。
嚥下訓練用機材
リハビリテーション室および設備
リハビリテーション室
リハビリテーション室の設備
ポータブル筋電図計
徒手筋力測定装置
高周波と超音波の複合治療器
エコー
拡散型衝撃波
簡易上肢機能検査(STEF)
セメスワインスタインモノフィラメント
訪問リハビリテーションについて
介護保険認定を受けられている方を対象に、専任のスタッフによる訪問リハビリテーションを提供しております。サービス提供に際しては、ご自身の担当ケアマネージャーを通じての調整が必要となりますのでご了承ください。
スタッフ紹介
当院のスタッフは各自研鑚を重ねており、大学・専門学校で教鞭をとっていた経験豊かなスタッフが在籍している他、自らが他医療施設で勉強会講師を務めており、互いに刺激し合い切磋琢磨しております。またスタッフ教育にも力を入れており、頻繁に院内勉強会を開催し科全体でレベルアップできるよう努力しております。 院外でも各種レクリエーションを通じて、交流を図っております。季節ごとに様々な企画を立て、プライベートでも親睦を深めることでスタッフ間の連携にも役立てています。これからも『家族のような仲の良さ』『患者さんを家族と思う』のリハビリテーション科を目指していきます。